“使い切る”ものではなく、“繰り返し使える”素材へ──アルミダイカストと持続可能な製造のかたち

はじめに

限られた資源を、いかに長く・無駄なく活用していくか。
これは現代のものづくりにとって、避けて通れない課題です。

そのなかで私たちが注目しているのが、アルミニウムダイカストです。
自動車、建設機械、通信機器、農業機械、多くの産業で不可欠な存在であるこの素材は、実は非常に高いリサイクル性を持つ資源循環型材料でもあります。

アルミダイカストは、資源を「減らさずに使う」材料

アルミニウムは、何度溶かしても劣化しにくく、再利用率の高い素材です。
特にダイカスト用合金は、リサイクル材をベースにした鋳造が一般的であり、
製造時点から「循環する素材」として設計されていると言えます。

事実、現在流通しているダイカスト部品の多くには、すでに一度使われたアルミニウムが含まれているのです。
それでも、強度や耐久性が保たれているのは、合金規格が優れているだけでなく、二次精錬技術、鋳造、ダイカスト製造技術や、それらの品質検査が日々進化しているからに他なりません。

リサイクルの品質を保証する、外観検査の役割

製品としての信頼性を保つためには、高精度な外観検査が欠かせません。

私たちが提供するAI外観検査装置は、

  • 微細な鋳巣

  • 欠け、汚れなど

を360度全周から撮像・AIで判定し、安定した品質を維持する仕組みを実現しています。

持続可能な産業に向けて、私たちが願うこと

アルミダイカストは、「捨てないこと」を前提に成り立つ素材です。
その特性は、製品ライフサイクルの中で、資源の消費を抑え、環境負荷を低減し、産業を持続可能にする原動力になります。

私たちは、こうした素材がもっと使われ、循環し続ける製造文化が当たり前になる未来を願っています。
そして、その実現のために、確かな検査技術でダイカスト産業を支えていきたいと考えています。

おわりに

天然資源を「一度きりで終わらせない」。
それは、素材にとっても、社会にとっても、私たち自身にとっても、これからの時代に必要な姿勢ではないでしょうか。

ダイカスト産業のますますの発展とともに、資源と共存するものづくりを目指して。
私たちはこれからも、その一端を担っていきます。

Shinya Kataoka

I serve as Director & Factory Manager at KYOWA CASTING (Thailand) Co., Ltd., and am the Founder & CEO of The 7th Engineering Co., Ltd. With a background in aluminum die-casting and mechanical engineering, I developed IVI-360™, an AI-powered 360-degree visual inspection system designed specifically for die-cast products.

https://ivi-360.com
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