外観検査装置を検討されている皆さまへ

AI外観検査の導入を検討する際、多くの企業はソフトウェア性能やスループットを前面に掲げてアピールします。しかし、私たちは日々、製造現場で製品と向き合い、「見落としてはならないもの」を自分たちの目と手で扱ってきました。その中で、紹介記事や展示会では語られない現場の現実があることを痛感しています。ここでは、私たち自身が現場で感じてきた課題を共有したいと思います。

AI検査装置の性能評価では、よく「検出精度◯%」といった数値が用いられます。もちろん重要な指標ですが、ダイカスト製品では検査すべきポイントが数十箇所に及び、それらが立体的に配置されていることがほとんどです。検査員は製品を手で回転させながら確認しますが、大型品では数kgから10kg程度になることもあります。全周囲を確実に撮像できているかどうかこそが、品質保証の本質です。

属人的検査の限界を現場はすでに理解している

私たちは人の目の柔軟さを信頼していますが、同時に人による検査の限界も知っています。体調、疲労、経験値、時間帯など、さまざまな要因でOK/NG判定に微妙な差が生じるのは避けられません。そのため現場では「どこを、どのように確認したのか」という履歴が残らず、後から問題になるケースが増えています。AI検査が求められるのは単なる人件費削減のためではなく、検査の再現性や説明可能性を確保したいという要求が強まっているからです。

多品種・短納期時代における「柔軟さ」と「確実さ」の両立

近年のダイカスト現場では、1ラインで複数製品を短時間で切り替える体制が一般化しています。必要なのは、検査精度だけではありません。運用の柔軟性、段取り替えの容易さ、そして高い再現性を兼ね備えた検査構成が求められています。

その設計思想があるかどうかは、信頼できる装置を見極める大きな判断基準になります。

最後に

AIやロボット技術は驚くほど進化し、優れた成果が次々と生まれています。しかし、品質を保証する最終責任を負うのは、現場であり検査工程です。私たちは、華やかな技術の陰で見落とされがちな現場の声にこそ耳を傾け、それに応える装置や仕組みこそが本当に必要とされると考えています。

そんな思いで、私たちはIVI-360の開発に取り組んでいます。

Shinya Kataoka

I serve as Director & Factory Manager at KYOWA CASTING (Thailand) Co., Ltd., and am the Founder & CEO of The 7th Engineering Co., Ltd. With a background in aluminum die-casting and mechanical engineering, I developed IVI-360™, an AI-powered 360-degree visual inspection system designed specifically for die-cast products.

https://ivi-360.com
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