なぜダイカスト検査に「360度視点」が必要なのか

ダイカスト製品の品質は、外観上のわずかな欠陥によって大きく左右されます。

従来のカメラ検査では、死角に潜む不良を検出するために製品を反転させる必要があり、その過程がコスト増の要因となっていました。 そこで注目されているのが、「360度視点による外観検査」です。本記事では、ダイカスト製品特有の構造と不良の傾向を踏まえ、なぜ360度からの撮像が不可欠なのかを解説します。

ダイカスト部品の「複雑形状」が生む盲点 アルミダイカスト部品は、自動車や産業機械に用いられる容器状・リブ付き構造が多く、欠陥が発生しやすい箇所は必ずしも外側の表面とは限りません。 特に以下のような部位に不良が潜みやすくなります: 容器内部の凹部 リブ構造の内側や影になる箇所 従来方式では工数とコストが増加 従来の検査方法では、製品を反転させる必要があり、人手作業や複雑な反転機構が求められます。

その結果、 設備投資が高額になる、検査工程が煩雑化し、見落としや工程飛ばしによる品質リスクが増す といった課題が生じます。 360度撮像で見逃しを防ぐ IVI-360™のような全周囲AI外観検査装置は、対象物を360度回転させ、多方向撮像し、AIによって全面を自動的に検査します。 この方式により、あらゆる形状でも一回のセット動作で全体を網羅見えにくい角度の不良も検出可能、光の反射や影の影響を最小化といった効果が得られます。

工程改善にもつながる360度検査 360度撮像によって不良の早期発見が可能になれば、金型設計や鋳造条件の見直しなど、製造工程上流の改善にもつながります。 単なる検査工程に留まらず、製造全体の品質マネジメントに寄与するのが、360度検査の真価です。 まとめ IVI-360™は、360度回転による全周囲撮像とAIによる深層学習ベースの判定を組み合わせることで、目視検査の限界を超えた高精度な外観検査を実現します。 ダイカスト製品の検査品質を飛躍的に高め、製造全体の信頼性向上に貢献する検査ソリューションです。

#ダイカスト #AI外観検査 #ディープラーニング #製造業DX #品質保証

Shinya Kataoka

I serve as Director & Factory Manager at KYOWA CASTING (Thailand) Co., Ltd., and am the Founder & CEO of The 7th Engineering Co., Ltd. With a background in aluminum die-casting and mechanical engineering, I developed IVI-360™, an AI-powered 360-degree visual inspection system designed specifically for die-cast products.

https://ivi-360.com
前へ
前へ

人材が入れ替わる海外工場、教育コストはどこまで続く?

次へ
次へ

アルミダイカスト製品向けにAI技術を活用した全周囲外観検査装置『IVI-360™』を開発